消極的に一直線。【完】

「雫、おまたせー」


 そこに、倖子ちゃんの声が、大きく響いた。

 目を向けると、内巻きの髪を指でくるくると弄びながら、倖子ちゃんがこっちに歩いてくる。


 倖子ちゃんは、ちらっとカウンターの方に視線を向けて、苦い顔をした。


「ごめん、中雅鈴葉もいたんだね。もう少し早く戻れば良かった」


 言いながら、ガタ、と音をたてて、向かいの椅子に座る。


「雫、大丈夫?」


 顔を覗き込まれて、小さく頷くと、倖子ちゃんはあからさまに息を吐いた。


「コーヒー飲んで、早く他のところ行こ」


 そう言って、朝羽くんを呼ぶと、倖子ちゃんはコーヒーを二つ注文した。