心春から私の連絡先を聞いたらしい藤田くんは、デートする日を1週間前に伝えてきた。
何事もなかったように1週間はすぎ…。
こうして迎えたデートの日。
まだどこに行くかわらないけど、駅で待ち合わせすることだけ聞いた。
今日の私の格好は、白ベースの英字のTシャツに黒のスキニー。黒に近い紺のカーディガン。
なんとも女の子とは言い難い格好。
少し経つと、息をきらした藤田くんが近づいてきた。
私服意外とシンプルなんだ…。
白のTシャツに7分丈のデニム。黒のジャケット。ちょっとゴツメのネックレス。
もっとチャラチャラした感じかと思った…。
でも、シンプルだからこそ藤田くんのイケメンさが際立つのかもしれない。
香染(こうぞめ)色のデニムがシエナ色の髪とマッチしててすごい似合ってる。そして無造作にセットされたその髪型は爽やかさもあり、チャラさもある。
「おはよう。藤田くん」
「おはよ〜!せんぱい!」
あぁ。やっぱりこのチャラさか…。
「ん?先輩どうしたの?」
「い…いや……なんでもない
というか、なんで息切れてたの?」
そのチャラさに絶望したとは流石に言えない。
「女の子に待たせるわけにはいかないでしょ!?」
女の子?
言われ慣れない言葉に少し首を傾げた。
「女の子とかそんな柄じゃないから私。
心春と違うんだから。」
冷たく返した。
きっとこういう所が心春とは違うところなんだろうな…。
心春はここで喜んだりするのかな…?
「??
何で心春先輩と比べんの?
先輩は先輩でしょ?」
さも当然かのように言う藤田くんに少し嬉しくなり、顔が熱を持つのがわかった。