「清水愛理さん!
僕と付き合ってください!」
チャラいと思ってたけど、意外と誠実な人なんだな。
でも、私は彼のことを全然知らないから…。
「えっと、ごめんなさい!」
私の返事に目を見開いた。
「なんでですか!?」
何でって言われても…
「だって私、藤田くんのことなんにも知らないし…」
「じゃあ!僕とデートしてくださいよ!」
じゃあって何?
前言撤回。
誠実なんかじゃない。チャラいわ。
「嫌よ。」
即答で断った。
「なんでですか!?」
ちょっとした言い合いをしていると…
「愛理ちゃん?何やってんの?」
そこに現れた心春。
「いや、何って…。」
「あ!心春先輩!
聞いてくださいよぉ〜!
俺、清水先輩に告ったら振られちゃったから、デートに誘ったんですよ〜
そしたら断られちゃって〜」
なぜ心春に話す。
そして、その語尾の伸ばし方はなんだ?
「俺悲しくて…。
心春先輩から説得してもらえないですか…?」
目元を見ると薄っすらと涙が溜まっていた。
お願いだから心春。
この演技に騙されないでよ!?
「愛理ちゃん…。藤田くん泣いてるみたいだし、一回だけでもデートしてあげたら?
ね?」
うっ。
私は心春のお願いには弱い。
その上、上目遣いときた。
断りにくい…。でもここで断らなかったら…。
愛理!しっかりするんだ!
「いくら心春のお願いでも…。」
「ダメ、なの?」
心春も目に涙をためた。
涙目+上目遣い…。
これで断れる人がいるのか!?
「い、いいよ…。」
少なくとも私は無理だ…。
ゴーンゴーンと人生の終わりを告げる鐘がなった気がした。


