私は、進級試験を無事にクリアして、高校2年生になった。
高校で仲良くなった心春とも同じクラスになれて嬉しかった。
―夏休み前。
その日は、とてもいい天気だった。
雲一つない真っ青の空。
心春と昼食を食べるために、中庭で伸びをしながら待っていた。
その時、知らない男の人が私に向かって歩いてきた。
そして、私の前で足を止めた。
訂正。知らないじゃない。
私は彼のことを知っている。
彼、藤田将輝(Fujita Masaki)は、1年。
入学してすぐに、かっこいいと騒がれ、2年の私達のもとにまで、噂が流れていた。
爽やかというより、とにかくチャラい。
そんな人がなぜ私のところへ?