好きだと伝えたくて。

いやでも、本当は目立つためにこれを着ようと思ったわけじゃねぇ。


天使の衣装を着る女子が柳瀬だったから、俺も一緒に……って、これを着ることにしたんだ。


けど、あの頃の俺は、これを着たところで何もすることができなくて。


柳瀬の隣に並ぶことも、声をかけることもできなかった。


ああ、あの頃の俺、だっせー。


なんて項垂れながらも、はっと思い立つ。


つーか、これ、チャンスじゃね?


あの頃の俺はすっげぇダサかったけど、今の俺なら声かけることもできるんじゃねーか?


そう思うと、恥ずかしいと思っていたこの衣装も、どこか誇らしげに感じてきて。


そんな単純すぎる自分に笑いしか出なかった。