◆❖◇◇❖◆
「ただいまー・・・って、陽汰!?」
リビングに入ると、陽汰が耳を押さえてうずくまっていた。
慌てて駆け寄って背中をさする。
「大丈夫?深呼吸できる?」
陽汰は何度も頷いて荒い呼吸を繰り返した。
もしかして、過呼吸ってやつ!?
「落ち着いて、もう大丈夫だから。」
陽汰も少し落ち着いてきたようで、文字を打ち始めた。
《バイクの音が怖かっただけ。大丈夫。》
「本当に平気なの・・・?バイクって結構音、大きいけど・・・」
陽汰が切ない顔で笑った。
やっぱり、陽汰はあたしの家においておかなきゃダメだ。
こんな子が社会で生活していくなんて無理がある。
いつからこんなお人よしになったんだろう。
でも何故か、陽汰のことが放っておけない。
