「陽汰に・・・陽汰に触るなぁぁぁぁああああ!!!!」
あたしはがむしゃらに男達を殴る。
昔見様見真似で覚えた護身術が役立っている。
「はぁ、はぁ・・・陽汰っ」
これで全員・・・。
あたしは陽汰に駆け寄る。
次の瞬間、呼吸が止まった。
「遅くなってごめん」
喋れたじゃん、とかじゃなくて。
喜ぶでもなくて、
もっと他にいう言葉がある。
そう、陽汰に言うべきなのは。
「いい声してるじゃん」
「ありがとう。」
初めて言葉で会話した。
言うなら今日は、会話記念日。
「今まで迷惑かけてごめんね。これからも一緒に居て」
微笑んであたしの頭を撫でた陽汰。
手を差し伸べられる。
あたしは笑って手をとる。
「陽汰はあたしの太陽なんだから、あたしを照らしてよ。その綺麗な碧眼でさ!」
太陽は、月を照らす役目がある。
月は、太陽を支える役目がある。
太陽がいなきゃ月は輝けない。
だから、これからも二人で頑張っていこうって。
そう心に決めて。
