「陽汰、どうしよう・・・陽太の目、分からなくなっちゃった」
訳が分からないと言うような顔をする陽汰。
そっか、説明してなかったっけ。
「あたし・・・毎日だんだん、色が分からなくなっていくの。」
陽汰が驚いた顔で固まる。
陽汰の瞳だけは、失いたくなかった。
「陽汰の瞳、色がなくなっちゃったの・・・それだけは嫌だった。」
《俺の目が分からなくても、月架は月架。俺は俺。》
「で、でも・・・陽汰ぁ」
不安で仕方なくて、陽汰に泣きついた。
もう、あたしの目が色を失う日は近い。
何も分からなくなる。
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