君に恋する3秒前。



「陽汰、どうしよう・・・陽太の目、分からなくなっちゃった」


訳が分からないと言うような顔をする陽汰。


そっか、説明してなかったっけ。


「あたし・・・毎日だんだん、色が分からなくなっていくの。」


陽汰が驚いた顔で固まる。


陽汰の瞳だけは、失いたくなかった。


「陽汰の瞳、色がなくなっちゃったの・・・それだけは嫌だった。」


《俺の目が分からなくても、月架は月架。俺は俺。》


「で、でも・・・陽汰ぁ」


不安で仕方なくて、陽汰に泣きついた。


もう、あたしの目が色を失う日は近い。



何も分からなくなる。