「いい、陽汰?あたしと陽汰は、今から恋人のフリをするの!」


陽汰は顔を赤くする。


恋人ごっこなんて、われながらいい事を思いついたもんだ。


「それで、お父さんを納得させよう!」


不安そうに眉毛を下げる陽汰。


大丈夫、きっと成功する。


「陽汰は心配しなくていいからね。」


あたしは陽汰の頭をなでたあと、諦めて帰るお父さんの姿を思い浮かべて一人で笑っていた。


陽汰も、これで解放されるハズだよ。