「・・・あたし、貴方の事知らない。」
「記憶喪失やからやろ?」
「違う。違うよ!あたし貴方とあった事すらないもん!」
遊馬はあたしの頬を叩いてきた。
痛い・・・。
「折角うまく行きそうやったのに邪魔しやがって!大人しく俺の恋人演じとけばええんや!」
そんな、めちゃくちゃ。
やっぱりあたし、遊馬の恋人じゃなかったんだ。
「あたしを騙してたんだね・・・あたしの記憶が無いからって。」
「あぁそうや。記憶の無い人間利用して何か悪いか?」
酷い考え。
モラルも何も無いのね、可哀想に。
あたし、こんな男の恋人にされそうになってたんだ。
そう考えたら鳥肌が立った。
「最低。もう帰ってよ!」
「いい気になんなよ。お前、顔が可愛いから使ってやったんや。もう俺からは逃げられへんでな」
背筋が凍った。
もう二度と会いたくない。
顔も見たくない!
