でも、紛れもなく本音だ。 湊くんが私を求めてくれるなら、私はそれに応えたい。 そして叶うなら、もっと……もっと近くに。 君の日々に、そっと触れたい。 湊くんは驚かなかった。 ただ満足そうに目を細めて、 「じゃあもう遠慮しなくていいのかな」 なんて笑った。 ああ、欲張りは私の方だ。 手の届かなかった彼に、少し近づいただけなのに。 同じ空を見た、それだけなのに。 もっともっと、傍に居たい。 「ねぇ、また歌を聴きに来てもいい?」