「20分後に入学式が始まります。生徒は
速やかに会場に集まってください。
繰り返します…」

ああ、後少しで入学式が始まる。
そろそろ行かないと…

そう思った少女の周りは、野次馬でいっぱい
になっている。
きっと周りは、少女の異次元的な美しさに釘
付けになっているのだろう。

そんな中ひとりの美青年が少女の方に手を伸
ばす。

それにびっくりして少女は思わず肩をびくっ
とさせる。
そして、後ろを見ると…

「きゃっ
お兄様…?」

少女に「お兄様」と呼ばれたその青年は、平
均よりも少し背は小さいが、少女と肩を並べ
るぐらいの美しい顔をしていて、少し顔が似
ていた。

「ああ。
先に行くなんて、ひどいじゃないか。」
と、笑いながら言う。

それに対して少女は…

「お兄様が遅いのがいけないんです!」
と頰を膨らませて言う。