好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。




「絶対なんとかしてやるから。だから、そんな震えんな」

「…、」



私の手を、大志の手が包む。


無意識に震えていた私のその手は、大志が沈めてくれた。




なんで、こんなに安心できるんだろう。


私の中で大志は、今まで以上に大きな存在になってきていることを認識せざるを得なかった。




「ご注文は?」

「それよりさ、 いつ空いてるの?舞ちゃん」



平静を装って藤田さんの席へ注文を取りに行けば、案の定始まる藤田さんからのお誘い。


昨日水を被ったくせによく飽きないなと、逆に感心してしまう。



「ですので、今は仕事中ですし、」

「えー?いいじゃんそれくらい〜」

「………」



お願い、とニヤニヤしながら頼まれたところで、私がOKする気は更々ない。