好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。




***



そして、やって来た次の日の放課後。




「舞ちゃん」

「……いらっしゃいませ、藤田さん」



藤田さんは、いつものようにニヤニヤと笑ってお店へとやって来た。


昨日の今日でも来るこの人の神経を考えると、相当図太いとさえ思えて来る。




「大志、あの人…」

「ん。分かった」


藤田さんを席に案内した後、私は藤田さんに不審に思われないようにお水を注ぎに行くフリをして、厨房に一番近い窓側の席へ行く。


その席に座る大志に藤田さんの存在を教えれば、一瞬だけだけど鋭い殺気が大志を包んだ。




…っ、大志……?


それが俄かにも信じ難くて、その一瞬だけの空気を疑いたくなる。