好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。




案の定それは大志にもバレていて、「笑うな」と制されてしまった。



「…何、どこ?」

「太もも、だけど」

「だけ?」

「……」

「ん、分かったよ。言わなくていい」



私の無言で言いたいことを理解したらしい大志は、それ以上私に聞いてこない。



ただ、その代わりもう一度ギュッと身体ごと抱き締めてくれた。




「ちゃんと言えよ、バカ。素直に『助けて』って」

「……ん」

「お前はいつも我慢しすぎ。先週から見られてたなら、もっと早くSOSを出せ」



ポンポン、と頭を撫でられる。


同じ男の人なのに、大志だとこうも安心できるんだ。



ただただ、この温もりが落ち着く。