好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。




「舞、大丈夫か!?」


焦ったように私の顔を確認する大志。



あぁ、大志だ。大志がいる。




「…うん、今大丈夫になった」


大志が来てくれたから、もう何もかもが解決したかのように思えてしまう。



ヘヘッと笑ってみせると、大志はなぜかムッとした顔を見せてコツンと私の額を小突いた。




「無理して笑うなって。バレバレなんだよ。手震えてるし」

「っ!」


体が離れたと思えば次は手が握られる。



気持ちは落ち着いたはずなのに、その手はまだ密かに震えていた。



「ほら、もう大丈夫だから。とりあえずそこの公園にでも行こう?な?」

「ん」



小さい子をあやすように、大志は私に優しい言葉をかけて、手を引いて近くの公園へと入る。