「お願い…迎えに来て…ッ」
素直になれないとか、今ははそんなことを言ってられない。
ただ、怖くて怖くて仕方がない。
大志に会いたい。
『おい、舞、今どこにいんだよっ?今行くから、絶対電話切るんじゃねーぞ!』
私の声に何かを察知してくれたんだろう。
電話の向こうでバタン、と音がしたかと思えば、走る音が聞こえた。
それを聞いて少し安心しながら、私は未だに震える手を必死に抑えて、大志の姿が見えるのを待つ。
「舞っ!!」
大好きな人の声が聞こえたのは、それから数十分後。
汗だくになって走って来てくれた大志は、私を見つけるなりギュッと抱きしめてくれた。



