好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。




***




─────RRrrr…



バイトが終わってすぐに、私はスマホから電話帳を開いてコールボタンを押した。




もういないと分かっているのに、いつもの夜道ですら怖くて足を進められない。




『───もしもし、舞?もうバイト終わったのか?』

「…っ」



けど電話に出たその声を聞いた瞬間に、私の力は一気に抜けてしまった。




必死に我慢していた涙が、タガが外れたかのように溢れ出す。




「た、いし…っ」

『え、舞?どうした?』

「大志〜…っ」



その電話相手───大志の名前をひたすら呼んだ。