*** ─────RRrrr… バイトが終わってすぐに、私はスマホから電話帳を開いてコールボタンを押した。 もういないと分かっているのに、いつもの夜道ですら怖くて足を進められない。 『───もしもし、舞?もうバイト終わったのか?』 「…っ」 けど電話に出たその声を聞いた瞬間に、私の力は一気に抜けてしまった。 必死に我慢していた涙が、タガが外れたかのように溢れ出す。 「た、いし…っ」 『え、舞?どうした?』 「大志〜…っ」 その電話相手───大志の名前をひたすら呼んだ。