「ほら、行くぞ!」
「…え?」
そして今度は、大志が私の手を引いて歩き出した。
でもそれは手首を掴むものではなくて、手を繋いで。
「ちょ、大志?」
「いいから、黙ってろ」
「はぁ?」
なんだかんだ言いながら、私が躓かない程度のスピードで歩くこいつ。
繋がれた手が、熱い。
けど、ドキドキと胸が鳴る理由はなんだか悔しくて考えたくなかった。
そして歩くこと数分。
「ここって…」
「ここなら、さっきの変な緊張も溶けるだろ」
「まぁ、そうだけど…」
私達は、ショッピングモールの中にあるゲームセンターに着いていた。



