その声はいつもより少し掠れていて、元気もない。
風邪という担任の情報は本当だったんだ。
『舞〜…』
「うんうん、私だよ。どうしたの?大丈夫?」
熱があるのか、少し甘えたその声にキュンとしてしまったのは内緒。
本当はキュンとしてる場合じゃないことくらい、電話越しの声でも分かる。
大志はバカだけど人並みに風邪は引く。
そして謎に高い熱が出るタイプだ。
以前のインフルエンザでは40度という驚異の記録を出したこともある。
「熱あるんでしょ?何度?」
『…39度』
「…はい、寝てください」
だから、この体温を聞いてももう大志に関しては何も驚かなくなっていた。



