「桐谷は?やらねぇの?」

「んー…」



正直、遊んでる俺が言えたことではないがそういうことはしたくない。


賭けだなんて最低だし、その子を傷つけることは目に見えてる。




けど、考えてる間にも周りは盛り上がっていて。


渋ってる俺の耳に、奴らの最初のターゲットの名前が聞こえた。




「ターゲットは、桐原舞」

「…っ!?」


思わず、身体が反応してしまった。




「お、初級でいいじゃん。桐原って告白断らないし」

「それに賭けでもあんな可愛い子と付き合えるとか幸せじゃね?」

「……」



会話が弾む3人。



舞が、最初のターゲット?


おいおい、それ本気で言ってんのかよ。



その名前は、渋っていた俺の心に決断を下すに十分だった。