結局、加賀さんからのお誘いを断ることも出来なかった私は、加賀さんと夏祭りに行くことになってしまった。
何故か松永くんは焦った様子だったけど、莉里に電話でそのことを伝えれば「楽しんできなよ」とのお達しがあったことだし。
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そしてあっという間に日は過ぎて、とうとう夏休みの最終日。
忘れるかのようにバイトに明け暮れた私は、最後の最後でバイト先の人と思い出作りをすることになった。
中1からの、初めて大志がいない夏休み。
退屈で退屈で、そして虚しくて仕方なかった夏休みが、もう終わりを告げようとしている。
大志からは、電話もメッセージもたくさん来ていた。
【夏祭り、一緒に行かないか?】
加賀さんとの待ち合わせ先で、今朝届いたメッセージを眺めてはため息を吐く。



