好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。




「すみませーん。注文いいですかー?」


そのタイミングで、お客さんからお呼びがかかった。




「すみません加賀さん。お返事はまた後で…」

「あ、うん。分かったよ」



一応加賀さんには断りを入れてからお客さんのテーブルへと足を運ぶ。


注文を取ることに集中していた私は気付かなかった。




「…加賀さん、もしかして狙ってます?」

「ん?何のことかな?」

「彼女はダメですよ。大事な人がいるんですから」

「俺ならあんなに下手くそな笑顔作らせないけどね」

「…っ」



松永くんと加賀さんが、そんな会話をしていただなんて。