好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。




「わ、私、教室にタオル取りに行ってくる…っ!」


なんだか大志のペースに乗せられているのが嫌で、恥ずかしくて。


私は咄嗟に、そんな嘘をついて教室へと足を向けた。




「初戦あと10分後だからな!それまでに戻ってこいよー!」

「分かってる!」



後ろから大志のそんな声を聞きながら、私はその嘘を本当にするためにとりあえず教室へと足早に向かう。




「あれ、誰かいる…?」


が、教室に着けばそこにはクラスの男子が数人集まっていた。




何やら盛り上がっているけれど、どうせサボりの集団だ。


気にしないで教室に入ろうと、ドアに手を伸ばした時だった。