好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。




「1回戦は大志が先でしょ?仕方ないから応援行ってあげるよ」


手元にあった対戦表を目にしてそう言えば、


「素直にかっこいい俺を見たいって言えば?ったく、舞ちゃんは素直じゃないねぇー」


ニヤニヤした顔で、大志はそう言い返してくる。



…もう、なんでも人の心読まないでよ。


私なりの照れ隠しなのに。




「よしよし、本当お前は愛すべき舞ちゃんだな」

「…っ、何よ、それ」



よく分からないことを言われ、ポンポンと頭を撫でられる。


それだけのことなのに、ドキドキが止まらなかった。