好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。




「どんだけ俺のこと好きなんだよ、舞は」

「な…っ!」


あろうことか、大志は私が考えてることと全く同じことを聞いてくる始末。




「っ、ばか!早くボール取らせて!」

「はっ?やらねーし」


照れ隠しで再びボールを奪おうとしたけれど、結局最後まで取ることはできなかった。




──────これが、私と大志の最後に出かけた楽しい思い出になるとはつゆ知らず。





***




「晴天だ〜!」


あっという間に3週間は過ぎて、体育大会当日がやってきた。



「ま、俺らは屋内競技だけどな」

「もう。そこは気持ちの問題でしょ?」



いいお天気の下でやる気の上がる私の横で、能天気なバスケバカはそんな現実的なことを言っている。