「あ、加賀さん普通にタメでいいですからね?私の方が年下ですし」
当たり前のようにそう言えば、加賀さんは驚いたように目を見開いた。
そう言われることが意外だったんだろうか。
「ここ、私が1番年下なんですよ。バイト歴は一応1番上なんですけど、他の方もタメ口なので」
だからどうぞ、と言えば、加賀さんは「じゃあ遠慮なく」と私に敬語を使うことはなくなった。
個人的にもその方が楽だ。
たかが高校生に、立場を気にして年上の人から敬語を使われるのはやりにくい。
「じゃ、実際に接客やってみましょうか」
その日、私は加賀さんに付きっ切りで仕事を教えることになった。