「ごめん、百合野さん…。」


江川くんは下を向いていて、顔が見えないが、声は聞き取れた。


「別に、いいよ。江川くんのせいじゃないし」


「でも…。」

口ごもった江川くんは、どんどん悲しそうに顔が歪んでいった。

「ちゃんと仕事したいって、思ってるんだ。いつも百合野さんたちに任せちゃって、申し訳ないって…でも、女子達を拒んで、嫌われるのも僕は嫌で…」


…え、僕?この人俺って言ってなかったっけ?


とか関係ないこと考えてたら、急に江川くんが泣き出した。


えぇ。泣くんだ。


「ほんとは、僕は全然かっこよくないしっ、緊張とか、するし、女子が苦手だったし、だから、告白された女子と仲良くなってみようかなと思って、つき合っても、愛がないとか言われ、るしっ。なんかみんな僕のこと知ってるし。」



えぇぇ。どーすればいいのこの人。


「えっと…じゃあ、それが素?」