「それでは、これを持ちましてー新入社員歓迎会をー、お開きにーーー、したいとー思いまーすーー」 みんな酔いが回ってきているようで、呂律の回ってない挨拶が終わり、まったく酔えなかった私も作り笑いで帰りの挨拶をすました。 あとは、帰るだけだ。 だが、それが一番大変なのだ。 おのおのがもう帰路に着いている。 様々な駅に向かって歩き出す人々に混じって、重々しい足をなんとか動かしさっき聞いた住所へと向かった。