「久しぶりだね、航。」
あまりにもびっくりで、咄嗟に出てしまった言葉に後悔した。
外では、名前なんて呼んじゃいけないのに。
「あら?江川くんのお友達?」
案の定、隣にくっついてる先輩のような人に睨まれた。
「え、あ、えっと…「中学時代のただの同級生です。」
航が変なタイミングで言いよどんだから慌てて私が答えた。
あらぬ誤解をされても困る。
私達のあいだには何も、本当に何も無かったんだから。
「まぁ、そーなの?
じゃぁ、少し喋っていたらどうかしら?
せっかく久しぶりに会えたのでしょう?」
即答した私に安心したらしいその先輩は、そんなことを提案してきた。
勘弁してくれ。
ふざけるんじゃない
「え、あぁ、えっと…「ありがとうございますちょっと話したいんで、先輩さき回っててください。」
今度は、私が遮られる方だった。
「ちょっと!なに勝手に言ってんの!?」
