「…さぁ?会えるんじゃない?」 「…会いたい。また、会いたいよ。」 ひどい。航はひどいよ。 こんなにぐちゃぐちゃに溺れさせといて、まだ会いたいとか。 もう、好きじゃないなんて言えない。 もう、フリなんてできない。 「会えたら、いいね。」 たった一言それだけ、言った。 泣く前に。バレる前に。 「バイバイ、楽しかったよ、航。」 後ろで何か言ってる航を置いて、私は生徒会室を後にした。 もう、会いたくなかった。 というより、会えなかった。