「わ、りゅーくんが誰コラしてるーwww」

夜。
スマホを触っていると
通知設定していた龍哉から〈誰コラ〉ときた。

「ちょっとだけのぞこ」

9時からは定期の自枠開かなきゃだし、それまでりゅーくんのキャスを聞こうと思って、枠にいった。

「7名様いらっしゃーい。コメントしてってな!」

りゅーくんのおもしろい関西弁のイントネーションが部屋に響く。

そういえば、イヤフォンどこだっけ。

探しながら、コメントを打つ。

〈りゅーくんやほー〉

「お。雪いらっしゃーい。誰コラあがる??」

〈りゅーくんが誰コラ楽しんでるの観るだけで充分だよ〉

「えー!雪の癒しボイス聞けないのか…」

〈癒しボイスじゃないわーwww癒カテ主だけど(  ˙-˙  )〉

「真顔きついなー!お、誰か来た。こんにちわー」
「こんにちわーどーも」
「どーもどーも」

誰コラで上がってきたのは、爽やかな声の持ち主だった。
人気声優の声に似ていて、あたしのハートはがっしり掴まれる。

〈やばwwwちょーイケボ!!〉
〈りゅーどんまい。負けたなwww〉

「ちょ、うちのリスナーはひどいなぁwww」
「どうしたんすか??」
「イケボやって言われとるで」
「いやいや、全然。」
「ほら、そういう謙虚なとこもイケメンやなー」