「あはは、いやぁ。 又、来ますのでそれでは、失礼します」 わざとらしい言い方をして名乗りたがらへん、いやぁ、名乗れねぇだろう。 「そう、今度、来てくれた時には、起きてるかも知れへんね」 おかんが何も知らねぇから、明るく言う姿に、たじたじに すたすたこけ 歩いて転けとる男性が居るんは分かるねん。 バタンとドアが開いて閉まってん。 こりゃ、言わなあかん、おかんに。 咄嗟に、そうせぇへんかったら俺が殺されるねん。 俺の背中や額には、脂汗がたらっと流れて恐怖心がゾクッとするねん。