「お願い、離して」 嫌だったと言いたいねんけど、俺は、あいつの口から出て来た言葉が力一杯で離さないとあかんような気がしてん。 掴んだ手を離しとたんに解放されたように、 ぺたぺたたたたっと駆け足で走ってん。 走ってるあいつを温けえ気持ちで見つめてん。 あいつが避けようとしたんか。 ごめん、嫌な思いをさせてごめんよと心の中で呟いてん。