【短】恋のTrick or Treat




「絶対飽きるよ」


「絶対ない!」


「嫉妬深いよ」


「むしろ大歓迎!てかして!嫉妬してください!」


「ぷっ……馬鹿じゃないの」




しばらく彼の胸を借りて泣いた私は、何事も無かったのように笑ってる。



それは彼の人柄のおかげかもしれない。


今ならわかる気がする。
チャラ男関係なく、彼のその明るい人柄が周りを元気にしているんだってことを。




「もう、帰っていい?」


「え、あ、そうじゃん!南川同じ街じゃないじゃん!」


「なにそれ。責任もって駅まで送ってよね」


「もちろんお供しますよ」


「犬か」


「ワン!」



うー、寒気がしてきた。

かわいすぎて。



後ろからうなだれた声が聞こえてさらに笑う。



やっと追いついてきた彼はまた楽しそうに笑ってて、なにか企んでるような気がしたから駅まで警戒してた。



けど、それは私の勘違いだったぽくて、何も起こらなかった。



いいような悪いような?


って私はなにを期待してたのだろう。
はずかしい……。