ちがう。
きっと先輩は、傷ついてる。
答えれないことに傷ついた。
私の気持ちなんてわかりやすくて、
鈍感な先輩でも気づいたんだと思う。
「自意識過剰ですよ。」
私は嘘つきだから。
ずるいやつだから。
先輩が誤魔化してくれるのに合わせて嘘をつく。少しずつ、先輩を見上げる。
「ですよね、さくちゃんだもんね。」
いつものように楽しそうに笑いながら、
“意地悪だなぁ”なんて言う先輩。
正直、少し辛くて泣きたかった。
でも“好き”と言ったのは私で、
それを“冗談”にして誤魔化したのも私。
そんな私が泣く資格はない。
その思いだけで前を向いた。

