先生の後に付いていくと、そこは水族館だった。



先生と2人、回路をまわる。



先生は「ちっせえ」とか「でけえ」とか端的すぎる感想しかしゃべらない。



わたしは宝石箱みたいな水槽と、緑や青に反射する水の世界に囲まれて、ふわふわしていた。



見上げたままぐるりと見渡すと、視界に入る先生。



相変わらず、顔をまともに見られなくて。



少し先を歩く先生の黒いTシャツに映る、ゆらゆら揺れる光を見ていた。



もっと話したかったのに、物理準備室とはあまりにもかけ離れたシチュエーションに慣れないままだった。