このままどっか連れて行きたいが、そんなことはできるわけがなく。すべきでもなく。


PCの電源を落とし、美月の座るソファに腰を下ろす。


微妙な距離を楽しみながら、ソファの端から美月を眺めた。
数日前の賑やかさを思い返す。


「ここに5人も座ってた」


美月は想像したのか、楽しそうに笑う。

ふと、短髪のことを思い出した。


「中庭で何してた?」

「え!」


何かを思い出したのか、微妙に頬を赤らめる。


「先生、い、佐々木くんのこと、気にしてるの?」


…佐々本だったのか。

クラス1位と2位は一緒に勉強してたってわけね。


「わたしは、先生のこと、気にしてたよ」


突然、強い口調で、そんなことを言う。