火曜日。
テスト最終日。


この日ばかりはみんなと同じ。
最高に嬉しい。



最後の科目、古典のテストが終わって、SHR。


「はい、さようならー。寄り道しちゃダメよ。」


お決まりの挨拶みたいな担任の言葉と同時に、廊下に生徒が溢れ出す。


みんな楽しそうに昇降口に向かう。


重そうだった心は半分の軽さに、縮こまってた身体は倍に伸びたみたいに。


まるで夏休みを迎える終業式の日みたいだ。





そんな時間をそわそわしながら見送ってから、わたしの足は4号館へ向かう。



午後1時だというのに、静かすぎる校内。



弾む心を抑えて、
軽くなる足取りを堪えて、
わずかな緊張を連れて、
歩く。





─いる かな…





準備室の前まで来て、小さく深呼吸。

ドアに触れる手がわずかにピリピリする。