「ね、有馬ってどんなのが好みだと思う?」


優希ちゃんがわたしのお弁当箱を止めていたバンドを指でくるくる回しながら言う。


「大人の女って感じの、好きそ〜。」


「いや案外、美月(みづき)みたいなのがタイプかも。」


菜摘の答えに優希ちゃんがそう言って、バンドをわたしに飛ばしながら、にやりと笑う。


わたしはそれをキャッチして、お弁当箱を片付ける。


「え─ それってなんか… 」


「「犯罪!!」」


重なった声に目を見合わせて、手を叩いて笑っている。


そんな2人をよそに、窓を開けてカーテンの隙間を覗いて、先生に視線を送ってみた。