ー いってらっしゃい


早朝に、柄になくそんな返信をした数分後。



2年の学年主任からの不在着信に気づき、折り返そうとした途端。

教頭からの着信。

何事かと思えば。





「..はい」

まさかの修学旅行当日に、同行命令。





「..マジかよ」





了承はしたものの、だるくないわけがない。
喫いかけの煙草を消して。

数時間後の出発に向けて、最低限の準備をする。






ー 俺も行くことになった

家を出る直前。

取り急ぎ、いってらっしゃいを訂正だけして。


「...」


帰ってきてから渡す予定の小さな箱を、スーツケースに詰め込んだ。