内心バクバクの心臓を隠すように、くるりと、先生に背を向ける。


「...」


先生の両手が後ろから、わたしの肩を通って鎖骨あたりで輪っかになる。

すっ、と頬をかすめる手。

くすぐったい。

先生の手が離れて、ネックレスが小さく揺れて。

わたしの首もとに落ち着いた。


「できた?」

「ん」


..先生のネックレス。




指先でその存在を確かめる。



「先生、」

ありがと、そう言って振り向こうとしたら。

すぐ近くに先生の顔があって。






「いいにおい」

とひとりごとのように、つぶやいた。