答えて、さっきまでの、優希ちゃんたちとのやりとりを思い出し、動揺してしまう。


「た、たべますか?」

先生はソファに座り、テーブルに広がったお菓子たちを眺めてる。


「これとか、おいしいみたい」

わたしが指差したひとつをつまむと、先生は器用に片手で包み紙を開けた。


「はい」

包み紙から落ちそうなホワイトチョコが、先生の口、ではなくて、わたしの唇に差し出されて。


「ん、ひははひ…」

いただきます、と言い終える前にハート型のそれが口の中で溶け始めた。