「じゃあ、ママは出かけるから!
あと、ちゃんとお願いよ。
学校‥さぼるんじゃないよ。」

「わかってるよぉ~。」

布団からふくれっつらをして晴香は答えた。
ガチャン‥と玄関の扉が閉まり
母親の香織が出かけたのを確認すると
おもむろにベッドから起き上がり、
リビングのコンポにアイポッドを接続すると
ボリュームをあげた。

音楽を聞きながら、テーブルの上にある
菓子パンとゆで卵をかじり
冷蔵庫から紙パックのオレンジジュースを
取り出すとそのままグラスにも注がないで
飲み始めた。

そして、足をテーブルに投げ出し、
おもむろに携帯を取り出した。

パンをかじりながら、携帯のメールを
チェックしている姿は、
とても美しいとは言えない。

‥が、本人はそれが少しカッコイイと思って
いるのか、リラックスしているつもりなのか
テーブルの上の足をゆらゆらさせながら
友達とメールを楽しんでいた。