一方の晴香も母親である香織との
関係に悩んでいた。

別に嫌いではない。
いや‥もちろん、大好きだ。

買い物に行く、好きなミュージシャンの
話をする、ファッションの話、食べ歩き、
男の話‥一見、何でも、友達のように
話をしている。

友達に羨ましがられるような仲良し親子だ。
でも、なぜか本当に心から分かり合えて
いないような気がするのも事実である。

時々、母親の香織の存在がとても遠くに感じる
ことがある。

意識しているわけではない。

ただ、なんだかそう感じるのだ。
なぜだか、わからない。

ただ、言葉にできない孤独を感じるのである。