実は、晴香は綾香の気前の良さを心配していたのだった。

「別に、あるもので作れば出かけなくていいわけだしさ‥。」

綾香はせっかくだから、色々奮発して喜ばせてやりたいのだった。

「なんで‥せっかくだから、美味しいお肉買った方がいいじゃないの。」

晴香は、そのためにまた、母親が奮起して仕事に励むのが‥イヤだった‥いや、また、忙しくなるのではないか‥という一抹の不安がよぎっているのだ。

そんな事に考えの及ばない、綾香は‥。

「いいじゃない。行こうよ。駅前のスーパーに自転車で行けば、時間もかからないじゃない。」

晴香は‥少し、失望した。

「別に‥いいけど‥。」