週明けの永瀬さんは相変わらずだった。
「おい、寝ぼけてんなよ。
この書類午前中な」
「寝ぼけてなくても午前中じゃ無理ですってば」
「そのくらいの勢いでやれって言ってんだよ。
学習しねえなあ」
「永瀬さんの言い方が悪いんですっ」
クスクス聞こえる永瀬チームの笑い声。
まあ、いつものことだ。
にしても、朝から意地悪すぎる。
これでよく私のことを好きだなんて言えたもんだ。
この前は…あんなにやさしかったのに。
髪を撫でて、抱きしめてくれたのに。
…いやいや、そんなこと考えてる場合じゃない。
ブンブンと首を横に振った。
仕事は仕事。
永瀬さんに意地悪言われるのもまた仕事のうち。
それでも動揺しているんだろうか。
何度データの打ち間違いをしたかわからない。
永瀬さんは電話を耳と肩の間に挟みながら、パソコンを叩いて会話をしている。
電話をしている時の永瀬さんは、私に意地悪するときとは大違いの穏やかな声だ。
当然しゃべり方も丁寧だし、どうなってるんだこの人は。
…だけど、電話をしている時の声は嫌いじゃなくて、思わず聞き耳を立ててしまう。
私にやさしいときの永瀬さんの声と、似ているから。
ちょっとだけ、キュンとしてしまうから。
「おい、寝ぼけてんなよ。
この書類午前中な」
「寝ぼけてなくても午前中じゃ無理ですってば」
「そのくらいの勢いでやれって言ってんだよ。
学習しねえなあ」
「永瀬さんの言い方が悪いんですっ」
クスクス聞こえる永瀬チームの笑い声。
まあ、いつものことだ。
にしても、朝から意地悪すぎる。
これでよく私のことを好きだなんて言えたもんだ。
この前は…あんなにやさしかったのに。
髪を撫でて、抱きしめてくれたのに。
…いやいや、そんなこと考えてる場合じゃない。
ブンブンと首を横に振った。
仕事は仕事。
永瀬さんに意地悪言われるのもまた仕事のうち。
それでも動揺しているんだろうか。
何度データの打ち間違いをしたかわからない。
永瀬さんは電話を耳と肩の間に挟みながら、パソコンを叩いて会話をしている。
電話をしている時の永瀬さんは、私に意地悪するときとは大違いの穏やかな声だ。
当然しゃべり方も丁寧だし、どうなってるんだこの人は。
…だけど、電話をしている時の声は嫌いじゃなくて、思わず聞き耳を立ててしまう。
私にやさしいときの永瀬さんの声と、似ているから。
ちょっとだけ、キュンとしてしまうから。