「さよなら」のその先

「別に慌ててなんか…。もう良い!一人で帰る!」


「えっ、ちょっ…京香っ!」



勢いよく席を立つ私に、八重は少し動揺し、



「ゴメンって…。ただちょっと、からかってみたかったから…」



謝罪してくる。

私はため息をつき、それでも何だか嬉しくて笑みを溢しながら、



「じゃあ、教室から駅までどっちが早く着くか競争しよ?私の方が早く着いたら、今日は一人で帰るから」



何気なくそんな話題を切り出してみた。