浅倉壮介くん…




 授業中、今朝起きた彼との出来事が頭を離れないままだった。


 気づけば最近、彼の事ばかり考えている。

 毎朝彼のクラスへ行って、学校へ来ているか確認して、やっと今日巡り逢えたのだ。



「…なんか…ムズムズする」


「佐々木、花粉症か?なら窓側の席からは離れるんだな。その方が授業にも専念できる様だし」



 私の独り言は教卓の前に立っていた先生にも聞こえたようで、授業に身が入っていないこともバレていたようだ。



「えっ、えとっ…、これは違うんです!別に花粉症なんかじゃありませんし、ちゃんと授業だって受けてます!」