《希望side》
わー、張り切りすぎちゃった…?
なんか頭痛いなー。でも、マラソン大会!うちは実行委員だから走れないけど楽しみだなあ。りゅうくん今年も走ってくれるかな。
「のぞ。」
「!?〇$△¥♪♀★」
びっくりした…思わず変な声が出てしまった…
「(笑) 疲れた?」
「うん。」
「帰る?」
「…うん!!りゅうくん帰ろっ!」
「今日、結城と律、用事があるって先に帰ったから、2人でどっか寄ってくか。」
「わぁー!やったー!♪」

「ふふーん、久しぶりだねっ!」
「俺はブランコ乗るのも久しぶりだけど(笑)」
コンビニによって飲み物買ってから、公園に来た。
近所の公園なんだけど、すごい綺麗で大きい公園で、少し坂を登ったとこにあるブランコからの景色は最高なの!
「のぞね、小さい時からこのブランコだいすきだったんだよ!」
「これてよかったね。」
「うん!」
「ねえ、のぞ?今週末、久しぶりに2人でどっか出掛けよっか。」
「えー!ほんと!?行きたーい!」
「ははっ、どこ行きたい?」
「うーん、あ!イルカ!イルカ見たい!」
「じゃあ、水族館いこうね。」
「やったー!!」















ふっふふ~ん。何着ていこうかなあ。
あ、りっちゃんに教わったメイクもしてかなきゃ。
あ!髪もハーフアップにして…
「ようーし、できたっ!」
りゅうくんにメールしようかな?もうそろそろ来るかなぁ。
ピンポーン
「あっ!りゅうくんきた!!」
「はーい!いまいくね!」
会える会える会える会える~!思いっきりおしゃれしたし、りゅうくんの私服見るの久しぶりだし、ワクワクしちゃう!
っ… 階段思いっきり降りたからクラクラしちゃった、笑
焦らない焦らないーっと。よおーし、
「お母さーん!行ってきまーす!」
「気をつけてねー!」
ガチャ
「りゅーうくん!」
「のぞ、おはよ」
「おはよう!りゅうくん!」
家のドアを閉め一目散にりゅうくんに抱きつく。
「子犬かよ 笑」
「違いますー!さ!行こっ!」
手を繋いで歩く。
りゅうくん、すごくまぶしい。かっこいいな。私服久しぶりに見た。おしゃれだなあ、足も長い。横顔きれー。
「ん?あんま見られると緊張する。」
「えっ、あっ、や、いや。その…かっ、かかか、かっこいいなっ、なんて、えへ。」
言っちゃったー!し、しかも見てたことバレてるし!!さすがに見とれてたとは言えないよね、とは言え恥ずかしー!
「のぞ、お前そういうの反則。」
そういうのってどういうの?反則?さっぱり意味がわからない。
「うん!じゃあ、早くいこっ!」















水族館についた私たちは、すごくはしゃぎ回りました。普段はクールと思われがちのりゅうくんだって、子供みたいにはしゃいでて、来てよかったなぁ。
イルカのショー楽しかったぁー。
「あっという間だねー!」
「楽しかったな。」
今日はプリクラをとって、思い出を物として残したんだ。
「また、どっか行こうねっ!」
「そうだね、気を付けてよ」
「もう家の前でしょ~!笑」
「おやすみ、のぞ。」
「おやすみりゅうくん。」
おでこにキスをして、ばいばいと手を振った。
履きなれないヒールのせいで、とっても足がいたい。
ただいまーそう言って玄関に入ると、ちょうどお母さんがいた。
「のぞちゃん、おかえり!どうだった?」
「イルカのショー面白かった!りゅうくんと久しぶりに遊べてよかった!」
「わー!お母さんも連れてってくれればよかったのに。りゅうくんかっこいいし。…って、あら?そのアザどうしたの?」
ん?アザ?
「あっ、なんだろー。どっかぶつけちゃったのかな」
「もう!彼氏の前ではあんまりはしゃぎすぎちゃだめよー。おしとやかに。」
「えっへへーん」
「お風呂沸いてるから、入ってきちゃいなさい。」
そう言われお風呂にはいって気づいたの。体中あちこちにアザがあるの。こんなに色んなところ、ぶつけるわけがない。
「でも今日ははしゃいじゃったしなぁー♡」
とりあえずしっかり湯船に浸かって、ゆっくり過ごした。
この日からだった。当たり前の日々が、どんどん薄れてゆくのは。